このたび、NPO法人抜苦ねっとの理事長に就任いたしました、放射線科医の佐藤俊彦です。
当法人の名称は、仏教用語である「抜苦与楽(苦しみを取り除き、安らぎを与える)」に由来しており、患者さまの苦痛を和らげることを理念としております。
BAK療法によって増加するCD56陽性細胞は、β-エンドルフィンを産生します。β-エンドルフィンは強力な鎮静・鎮痛作用を有するホルモンであり、痛みの緩和に寄与します。特に、がん終末期に特有の痛みを軽減する効果が報告されています。
また、β-エンドルフィンには気分を安定させる作用があり、さらにCD56陽性細胞が有する神経保護機能によって脳機能にも良い影響を与えることが期待されています。そのため、脳転移を有する患者さまにおいても、QOL(生活の質)の改善効果が期待できます。
BAK療法は、複数の免疫細胞を組み合わせることで多角的な抗腫瘍効果を発揮します。
・自然免疫細胞:NK細胞、γδT細胞
(がん細胞を非自己細胞として認識し攻撃)
・獲得免疫細胞:ヘルパーT細胞、キラーT細胞
(さまざまなアプローチでがん細胞を攻撃)
これらの抗腫瘍効果は、海老名先生によって臨床および基礎研究の両面から実証されてきました。私は放射線治療医として、その知見を放射線免疫療法や温熱免疫療法の分野に応用し、臨床研究および治療実績の蓄積に努めてまいりました。
こうした経験を活かし、当法人では「NPO法人抜苦ねっと認定再生医療等委員会(第三種)」を設置し、免疫細胞療法の提供を希望する医療機関の審査を行っております。
主な活動内容
認定再生医療等委員会の運営
2014年11月に施行された「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき、免疫細胞療法を実施する医療機関の再生医療等提供計画の審査を行っています。
がん難民の支援
標準治療以外の選択肢を求める患者さまに対し、免疫細胞療法に関する情報提供および支援を行っています。
免疫細胞療法の普及・啓発
がん予防や再発予防への効果が期待される免疫細胞療法について、正しい知識の普及と啓発活動を全国的に推進しています。
私どもは、標準治療では有効な治療法がなくなった方や、主治医からホスピスケアを勧められた方々に対しても、新たな治療の可能性を提供し、少しでも良い結果につながるよう尽力しております。
また、多くの医療機関において免疫細胞療法が進行がんに対する新たな治療選択肢として活用されるよう、医療機関相互の連携支援にも取り組んでまいります。
国は、がん対策基本法第8条において、「がん対策を実施するために必要な法制上または財政上の措置を講じなければならない」と定めています。今後、がん治療やがん予防に有効な免疫細胞療法が制度として適切に位置付けられ、将来的には保険診療の対象となるよう、皆さまのご理解とご協力をいただきながら、引き続き関係機関への働きかけを行ってまいります。
今後とも、NPO法人抜苦ねっとへの変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
NPO法人抜苦ねっと
理事長 佐藤 俊彦
宇都宮セントラルクリニック 理事
セントラルクリニック世田谷 理事長
放射線科専門医